民間病院で働く

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病院の分類

病院は大きく公的病院と民間病院の2つに分けられます。公的病院には、以前は一括りに国立病院と呼ばれていた国立病院機構や国立大学、国立高度専門医療センターのほか、地方自治体を母体とする公立病院が含まれます。一方、民間病院は公益法人や医療法人、社会福祉法人、個人が運営する病院などで構成されています。

全国の病院の約7割を民間病院が占めています。民間病院は公的病院よりも病床数が少なく、中小規模の病院が多いのが特徴です。また、民間病院は都市部に集中しており、その中には救命救急を民間病院に頼っている地域が数多くあります。その一方で、不採算部門とされる小児科や僻地医療に取り組む病院は少なく、医療の地域格差が生じる要因となっています。

民間病院のメリット・デメリット

公的病院と比較して、民間病院で働くことにはどのようなメリットがあるでしょうか。1つは給与の高さです。給与が公務員に準じる公的病院に比べて、経営状況に左右される部分はありますが、民間病院は基本的に高給と言われています。公的病院の経営状況の悪化や、民間への譲渡が増えるにしたがって、待遇や安定性を考慮して民間病院を選択する医師が増えてきています。

柔軟な働き方ができることも民間病院に勤めるメリットです。公的病院の場合、給与や休日、業務内容などの枠組みが決まっていることが多く、条件交渉の余地はあまりありません。民間病院では理事長や院長の意向で物事が決まるので、ワークライフバランスをとったり、待遇向上を図ったりとフレキシブルな相談が可能です。そのほかにも、医局のしがらみがない、地域医療に積極的に関われるといったメリットが挙げられます。

このように様々なメリットがある民間病院ですが、先進医療を学びたい人や経験を積みたい人には不向きな場合もあります。公的病院は先進医療に一定の税金が投下されており、医療設備も充実しています。また、経験豊富な大学医局派遣の医師も在籍しているので、最先端の知識やスキルを習得する場として、公的病院には民間病院に勝る側面もあります。

キャリアアドバイザー 太田