介護施設で働く

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介護施設の分類

高齢化がますます加速する中、介護施設もそれに比例して増加しています。介護施設では医師が行える医療行為は制限されているものの、医師のニーズは高まってきています。介護施設は以下の3種類に分けられ、役割や配置される医師の数がそれぞれ異なります。

1つ目は特別養護老人ホーム(特養)です。特養は介護が必要な高齢者が生活する施設で、利用者100人当たり1人の医師が配置されます。なお、多くの医師は非常勤で働いています。

2つ目は介護老人保健施設(老健)です。老健はリハビリが必要な高齢者が在宅復帰を目指す施設で、こちらも100人当たり1人の医師が配置されます。

3つ目は介護療養型医療施設(療養型)です。療養型はこの中では最も病院に近く、医療が必要な高齢者の長期療養を目的としています。利用者100人当たり3人の医師が配置されます。他の施設に比べて看護スタッフが多く働いています。

ベテラン医師が活躍

介護施設で働く医師は年齢層が高く、60代がメインとなっています。一般的に介護施設は定年後のキャリアとして捉えられており、70代、80代の医師も働いています。介護施設は残業や当直がないため、無理なく働きたいベテラン医師に適した職場と言えるでしょう。しかしながら、介護施設で働くことにやりがいを感じて転職してくる若手医師も少数ながら存在します。

医師の転職市場では老健のニーズが高く、利用者やご家族、スタッフと円滑にコミュニケーションが取れる医師が求められています。

介護施設ならではのやりがい

介護施設では病院とは異なるやりがいを感じることができます。介護施設の利用者の平均年齢は80~90代です。介護施設で働く医師は、人生の終末期にある利用者に対して、どのような対応をすべきかという難しいテーマと日々向き合っています。

回復の見込みがない方には、あえて医療行為を続けずに、自然に安らかに最期を待つという選択肢も考えなければなりません。介護施設で働くことは、利用者やご家族の希望に合わせて、最適な医療を提供する非常に重要な仕事です。今後さらに高齢化が進行するにつれて、高齢者に対する医療のあり方がますます注目されていくでしょう。

キャリアアドバイザー 佐伯