年齢別でみる医師の収入

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年齢と年収の推移

一般的に経験年数によって収入は増加していきますが、医師の場合も同じことが言えます。厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は年齢とともに増えていき、50代でピークを迎えます。

25~29歳男性 776.9万円女性 672.1万円
30~34歳男性 1036.7万円女性 934.4万円
35~39歳男性 1274.6万円女性 1026.3万円
40~44歳男性 1442.6万円女性 1287.4万円
45~49歳男性 1678.7万円女性 1245.4万円
50~54歳男性 1741.9万円女性 1268.9万円
55~59歳男性 1928.6万円女性 1495.4万円
60~64歳男性 1920.1万円女性 1217.6万円
65~69歳男性 1531.5万円女性 2429.2万円
70歳~ 男性 1317.5万円女性 676.2万円

男性医師は30代前半で1000万円の大台を突破し、女性医師は30代後半で1000万円に到達しています。その後も経験年数とともに平均年収は上昇し続けます。

性別によって収入に差がある理由

年齢別の医師の収入をみると、すべての年代を通して女性の収入は男性より低い水準になっています。これは女性医師が結婚や出産、育児といったライフイベントのためにフルタイムでの勤務が難しくなるためです。同じ役職・等級で比較すれば給与に男女差はありませんが、要職に就くのは男性医師の方が多いため、結果的に男性優位となっています。

女性医師の活躍は社会から強く求められており、女性がキャリアを犠牲にしないで無理なく働ける環境を整えなければなりません。そのためには、育児休暇やパート勤務などの制度をより充実させ、男性もそのような制度を積極的に活用するよう、社会全体として意識改革に取り組む必要があります。

定年後の収入

医師は定年後も高収入を維持できる数少ない職業です。非常勤やスポットで就業する場合、医師に定年は存在しません。開業医の場合、70歳を超えて働き続ける人は数多くおり、経営者として大きな収入を得る人もいます。

ベテラン医師でも比較的働きやすい勤務先として、介護老人保健施設(老健)や一般企業があります。介護施設や企業で働く場合、年収1000~1500万円が相場と言われています。また、定年後に健康診断医として働く人もいます。健康診断のスポット求人はニーズの高い仕事であり、年齢を問わず、自分のペースで働くことができます。

もちろん定年でリタイアする医師も存在しますが、医師は社会からのニーズが非常に強いため、定年の枠を超えて長く働く人が多くなっています。

キャリアアドバイザー 南野