新専門医制度で変わったこと
目次
新専門医制度導入の背景
2018年4月からスタートした新専門医制度ですが、従来の専門医制度からどのように変わったのでしょうか。以前までは各学会が運用する認定プログラムを修了することで専門医資格を取得することができました。しかし、このような学会認定専門医は取得までの難易度に差があり、専門医の質が一定ではないという問題がありました。また、2002年より開業医が専門医資格を広告掲載できるようになり、その広告効果の高さが重要視されるようになり、専門医資格は100を超えるほど細分化されていきました。
こうした状況の中、厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」において議論が重ねられ、新たな専門医制度の導入が決まりました。新専門医制度は「専門医の質を高め、良質な医療が提供されること」を目的としており、第三者機関である「日本専門医機構」によって運用され、バラバラだった認定基準が統一されることになりました。
研修医と専攻医
医師は大学卒業後、約2年間の初期臨床研修を受けた後、ほとんどの医師が3~5年間の後期臨床研修(専門医研修)に臨みます。従来は後期臨床研修を受ける医師を後期研修医と呼んでいましたが、新専門医制度では研修プログラムに登録・実践する医師を専攻医と呼びます。
これまでは初期研修医と後期研修医をまとめて研修医と呼称していましたが、新専門医制度の導入により、研修医は初期研修医のみを指すようになりました。そして後期研修医に代わって専攻医という呼び方が使われるようになりました。
基本領域とサブスペシャルティ領域
新専門医制度では、基本領域とサブスペシャルティ領域の二段階制となっており、サブスペシャルティ領域はより専門性が高く、その専門医を取得するには、関連する基本領域において専門医を取得していることが要件となります。
【基本領域】
内科、小児科、皮膚科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、病理、臨床検査、救急科、形成外科、リハビリテーション科、総合診療科
【サブスペシャルティ領域】
- ・内科
- 消化器、循環器、呼吸器、神経内科、血液、内分泌代謝、糖尿病、腎臓、肝臓、アレルギー、感染症、老年病、リウマチ
- ・外科
- 消化器外科、呼吸器外科、小児外科、心臓血管外科、乳腺、内分泌外科
- ・放射線科
- 放射線診断、放射線治療
- ・複数領域
- 消化器内視鏡
取得する専門医によっては、その後専門医を取得できるサブスペシャルティ領域が限定されるため、様々な分野の経験を持つ医師のキャリア形成が難しいという課題があります。また、新しく認定された総合診療科ですが、専門医を取得してもサブスペシャルティ領域に進むことができないため、進路の幅が狭まる可能性が指摘されています。
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