これからの医師に求められること
目次
かかりつけ医の役割
2025年の日本は、団塊の世代が後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上という”超”超高齢社会を迎えます。いわゆる2025年問題に向けて、ヘルスケアシステムが大きく変容しています。その一つが地域包括ケアシステムであり、かかりつけ医の役割がより重要になっていきます。これまでは急性期病院→回復期病院→かかりつけ医という垂直の連携が主でしたが、地域包括ケアシステムでは、かかりつけ医を中心として、看護師や介護スタッフも巻き込んだ水平連携がメインとなります。
地域包括ケアシステムの構築のためには、行政が仕組み作りをする一方で、医師には多職種のリーダーの役割が求められます。これからのかかりつけ医は、医療だけでなく、介護や福祉、保健などの総合的な知識が必要になります。リハビリや認知症、ポリファーマシーの問題なども関わってくるでしょう。
日本医師会では、かかりつけ医に求められる機能を以下の6つに定め、日医かかりつけ医機能研修制度を創設・開始しています。
- ①患者中心の医療の実践
- ②継続性を重視した医療の実践
- ③チーム医療、多職種連携の実践
- ④社会的な保健・医療・介護・福祉活動の実践
- ⑤地域の特性に応じた医療の実践
- ⑥在宅医療の実践
これから求められる能力
今後、医師に求められる能力はどのように変わっていくのでしょうか。高齢化に伴って、予防医療に関する知識はより価値が大きくなるでしょう。また、総合診療専門医はこれから重要な役割を担うようになります。幅広い知識をベースに、専門医が気づかない疾患を発見するなど、地域医療のゲートキーパー的な役割が期待されます。診療スキル以外にも、チーム医療を高めるリーダーシップや、スタッフとの双方向のコミュニケーション能力が求められてきています。
ITやロボット、AIの進歩による変化も考えられます。ロボットを操作する技術が必要になったり、遠隔診療が盛んになったりといったことが挙げられます。
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