クリニックで働く

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クリニックの特徴

クリニックは医師が一人で経営する個人型と、勤務医を雇用して複数の施設を運営する多施設展開型に分けられます。従来はクリニックといえば個人型が主流でしたが、最近は多施設展開型クリニックが数を伸ばしています。

クリニックで働くメリットの一つに、診療の自由度が高いことが挙げられます。夜間でもすぐに対応できる救急特化のクリニックや、女性向けに傷口が小さな手術を選択できるクリニックなど、患者さんのニーズに合わせて様々な医療を提供することができます。

また、患者さんとの密なコミュニケーションもクリニックの特徴の一つです。病院が専門性の高い診療を行うのに対して、クリニックは総合診療が中心となります。そのため患者さんやご家族とのコミュニケーションが密になる傾向があり、訪問診療ではその傾向がより強まります。

多施設展開型クリニック

近年、クリニックの数は10万程度に落ち着いており、都市部では飽和状態にあると言われています。また、クリニック開設数、廃止数はともに増加傾向にあり、競争が激しくなってきていることも事実です。開業リスクが高まる中、注目されているのが多施設展開型クリニックの勤務医です。

多施設展開型クリニックでは安定した経営基盤のもと、開業医に近い診療スタイルをとることが可能です。同僚の勤務医と切磋琢磨しながら、総合診療の経験を積んだり、患者さんから信頼を得るためのコミュニケーション能力を磨いたりすることができます。

働きながら経営を学べる点も特長の一つです。病院と比べて事務部門との距離が近いため、会計や税務といった経営の流れを肌で感じることができます。クリニックは病院よりも小規模であるため、労務管理も学びやすいでしょう。さらに、一部のクリニックでは勤務医の開業支援も行っています。こうした環境面から、将来開業を目指す医師が多施設展開型クリニックを選ぶケースが増えています。

美容クリニック

美容に関心を持つ若年層や男性が増えたことで、美容クリニックの存在感が高まってきています。美容クリニックは採用意欲が高く、未経験から転職するケースもたくさん見られます。非常に勢いのある美容クリニックですが、その働き方はどのようなものでしょうか。

美容クリニックの勤務時間帯は比較的遅めです。患者さんが仕事帰りに立ち寄れるよう、18時以降も診療している場合が多く、日勤でも12時から21時までといった勤務時間が一般的です。また、美容クリニックでは患者さんのカウンセリングに時間をかける傾向があります。美容というデリケートな分野であるため、患者さんの疑問や不安をしっかりと解消することがとても重要です。カウンセリングが不十分な場合、たとえ施術にミスがなくても、患者さんが仕上がりに納得せずにクレームに発展することもあります。

美容クリニックは収入が高い傾向があり、未経験でも年収1500万円以上になるケースもあります。ただし、医師としてのキャリアを考えると、元の診療科に戻ることが難しくなる場合があるので、転職の際には慎重に考える必要があります。

キャリアアドバイザー 田中