大学病院で働く

目次

医局と医師の肩書

大学病院では、医師は医局と呼ばれる診療科ごとのグループに所属します。医局は教授を中心に構成されており、准教授、講師、助教といった様々な肩書を持つ医師が所属しています。医局における働き方は肩書によって大きく左右されます。

教授、准教授は主に専門分野の研究を行います。医局のトップである教授は大学の運営に携わることもあります。講師以上の医師が主体的に仕事に取り組めるのに対し、助教や助手はそのアシスタントのような働き方をします。医局は上下関係がはっきりしており、場合によっては、助教や助手は雑用もこなす必要があります。

臨床医と研究医

大学病院の医師は臨床医と研究医に分けることができます。臨床医とは、患者さんを診察したり治療を行ったりする医師のことで、一般にイメージされる「お医者さん」のことです。研究医とは、治療法やメカニズムがわかっていない病気に関して研究を行う医師のことです。研究医は日々の研究成果をもとに論文を作成し、学会で発表を行うこともあります。

このように、同じ大学病院に勤める医師でも、臨床医と研究医で働き方は大きく異なります。大学病院は臨床と研究という2つの働き方を通して、先端医療に触れることができる環境であると言えます。また、医療設備が充実していることも大学病院の強みの一つと言えます。

医局から関連病院へ

医局からは関連病院にも多くの医師が派遣されており、医師は人事異動を繰り返して経験を積んでいきます。関連病院の多い医局に所属すると、派遣先の関連病院でポストを見つけやすいというメリットがあります。ただし、どこの病院で働きたいかという医師の希望が異動に考慮されることは稀です。

最近では市中病院で後期研修を受け、そのまま大学病院に入局しない医師が増えてきています。医局に所属して関連病院に回るよりも、1か所に腰を据えて働きたい医師が市中病院を選ぶ傾向があります。シニアレジデントを募集している病院はたくさんあり、求人サイトや紹介会社を利用して、医師自ら全国の病院にアプローチできる環境が整いつつあります。かつては大学の医局に所属することが普通とされてきましたが、医師のキャリア選択の幅は広がりを見せています。

キャリアアドバイザー 平瀬