処方された抗生物質 使い切らないと何がダメ?
2019-01-07
国立国際医療研究センター病院の調査によると、半数近くの人が処方された抗生物質を最後まで使い切っていません。後日、体調が悪いときに残薬を飲む人も2割以上いるとのことです。抗生物質は処方された分を使い切る必要がありますが、それはどうしてでしょうか。
目次
半数近くの人が使い切っていない
国立国際医療研究センター病院のインターネット調査では、処方された抗生物質を使い切る人は約半数にとどまることがわかりました。体調が悪いときに残薬として飲む人が約2割、家族などからもらって飲む人も約2割います。
処方された抗生物質は全て使い切らなければなりません。症状が改善しても完治しない恐れがあり、薬が効かない耐性菌が出現することもあります。
耐性菌を生み出すリスク
抗生物質の不適切使用は、その薬が効かない耐性菌を生み出す要因となります。細菌は遺伝子の変異などによる薬剤耐性をもともと持っていたり、別の細菌やウイルスから耐性を譲り受けたりして、その薬が効かない細菌に変化していきます。耐性菌が増えると感染症の治療が難しくなり、重症化するリスクが高まります。
抗生物質が効かない耐性菌は世界中で増えており、WHO(世界保健機関)は2015年、抗生物質の使用を減らすアクションプランを採択しました。日本でも2016年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が策定され、薬剤耐性の発生を遅らせ、拡大を防ぐための取り組みが始まっています。
耐性菌の蔓延を防ぐためには、「処方された分は使い切る」ということに加えて、「風邪に抗生物質は不要」という認識を持つ必要があります。抗生物質は典型的なウイルス性の風邪に効果がなく、むしろ耐性菌を生むことにつながりかねません。
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