エリア別でみる医師の収入

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エリアによる収入格差

厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査では、医師の年収の全国平均は男性が1313万円、女性が1042万円でした。それでは、都道府県ごとの平均年収はどのようになっているのでしょうか。

全国で最も平均年収が高い都道府県は、男性では岩手県の2446万円、女性では群馬県の2067万円でした。男性では鹿児島県、北海道と続き、女性では山梨県、福島県の順に高額です。一方、最も平均年収が低い都道府県は、男性では富山県の632万円、女性では石川県の612万円でした。

このように、地方であれば必ずしも高収入という訳ではないようです。一般的に、医師不足のエリアほど収入が高くなる傾向があり、実際に医師不足が問題視されている東北地方では平均年収が高くなっています。

首都圏エリアの収入

首都圏は病院数、医師数がともに多いエリアです。人気の首都圏エリアですが、その収入は都道府県ごとに違いがあるのでしょうか。

まず東京都を見てみると、病院・クリニックの数が全国1位で、人口10万人対医師数も305人と全国2位です。医師の供給が比較的多いため、東京都における医師の平均年収は1176万円(男性)と低めです。次に埼玉県ですが、人口10万人あたりの医師数が全国ワーストの153人となっており、平均年収は1270万円(男性)と首都圏エリアでは高めの数字です。千葉県も慢性的な医師不足を抱えており、平均年収は1360万円(男性)と高めです。神奈川県の平均年収は1198万円(男性)とやや低めとなっています。

高収入エリアでの非常勤

首都圏エリアを例に挙げると、埼玉県や千葉県は医師が不足気味であり、収入が高くなる傾向があります。仮に東京都在住の場合、これらの県は1時間から1時間半程度で通勤可能なエリアです。非常勤として東京都から埼玉県の病院に通う、といった働き方も十分可能です。

高収入エリアでは、非常勤でも高条件の求人を見つけることができます。東京都に比べて、埼玉県や千葉県では非常勤勤務の日給の相場が1.5倍程度となっていることもあります。無理なく通える範囲で、周辺地域の非常勤求人に目を向けてみても良いかもしれません。

キャリアアドバイザー 田中