キャリアに活かす非常勤

目次

定期非常勤の活かし方

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、24歳以上の病院勤務医のうち、半数以上の52.1%の医師が2カ所以上の勤務先で就業していました。多くの医師がキャリアに取り入れる非常勤勤務には、決まった曜日や時間に勤務する定期非常勤と、特定の日だけ勤務するスポット非常勤の2種類があります。

定期非常勤の約4割は週1日程度の勤務日数であり、日勤が半数を占めています。午前(午後)のみ、当直のみといった働き方も2~3割程度あり、多様な働き方が伺えます。

医師が定期非常勤で働く理由は大きく3つあります。一つ目は収入を増やすためで、子供の教育費がかかる40~50代の医師によく見られます。二つ目はスキルアップのためで、若手医師に多いパターンです。そして三つ目は育児と仕事を両立するためで、主に女性医師に見られます。

定期非常勤をキャリアに活かしたいと考える医師は多く、症例数を重ねることで専門医の取得・維持を目指したり、経営ノウハウや人事マネジメントを学んで開業準備に活かしたりしています。その他にも、未経験の治療を経験できたり、人脈が広がったりと、様々な方法でキャリアに役立てることが可能です。

スポット非常勤の活かし方

特定の日だけ勤務するスポット非常勤は、募集も応募も増加傾向にあります。求人数は毎年10~20%のペースで増加しており、紹介会社への登録数も全国的に増えています。検診、ストレスチェックのための産業医、訪問診療などでスポット非常勤のニーズが高い傾向があります。

医師がスポット非常勤で働く理由は様々です。常勤先が忙しかったり、育児中だったりして、いつ時間が空くか分からない医師や、困っている施設や患者さんを助けたい医師がスポット非常勤を活用しています。

スポット非常勤でも、場合によっては専門性の高い診療を行うことができます。また、スポットで入った医師が院長と意気投合し、定期非常勤や常勤として入職するケースもあります。開業準備としてスポット非常勤を活用することも可能です。開業医は幅広い患者を診ることになるので、経験の浅い診療科にスポットで入り、充分に経験を積んでから開業する医師もいます。

キャリアアドバイザー 村上