医師転職
医師が転職する際に必ず知っておくべきことを、プロが伝授します。
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老人内科(老年内科)は、主に65歳以上の高齢者を対象に診療をおこなっている科です。老人内科の対象には、認知症や転倒・失禁・手足のしびれなどさまざまな疾患・症状があります。近年では心身が虚弱傾向にある「フレイル」や運動機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の問題がメディアを通じて知られるようになり、もの忘れや歩行障害などの問題に対処するための老人内科の需要が高まっています。老人内科を受診する患者は、循環器や呼吸器・消化器などの疾患を持っていることも多いです。そのため老人内科医は、内蔵器の疾患をモニタリングしながら全身を総合的に診療できるのも特徴です。一般社団法人 日本専門医機構の「日本専門医性外報(令和元年度版)」によると、日本老年医学会の会員数は6,473名であり、そのうち老年病専門医は1,454名でした。2025年には、日本の高齢者人口は約3,500万人に達すると予測されています。さらに認知症高齢者の人数は約320万人になるとも推計されています。将来的にもますます増加する高齢者・認知症者の医療的サポート体制が求められるので、今後も老人内科の分野は社会的に需要が高まっていくでしょう。老人内科では緊急性を要する患者の受診が少ないため、じっくりと時間をかけながら診察できるのもポイントです。ケースによっては、本人の言語やコミュニケーション能力が低下し、医師が患者の訴えをくみ取ることに時間がかかることもあるでしょう。患者の主訴を聞き取ったり正確に症状を把握したりするために、老人内科医には密接な関係性づくりが求められます。また患者の状態によっては、栄養士やリハビリの専門職とも連携しながら医療を提供していきます。このように、老人内科医には患者や他職種との関係性をつくるためのコミュニケーション能力も大切です。言い換えると、老人内科は人間的な付き合いをおこないながら医療的サポートをおこなっていきたい方におすすめの診療科です。
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